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チェーンの基礎
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チェーンの基礎
強リンク / 弱リンク / 交互推論(AIC)
チェーンは、多くの上級数独テクニックの土台です。
本質はシンプルで、候補どうしの関係を 「もし A なら B」 の連鎖として追う推理です。
この章を理解すると、単数チェーン、Two-String Kite、Skyscraper、Medusa、AIC などのヒントが読みやすくなります。
本アプリではセル位置を r1c1 のように表します。
r = row(行)、c = column(列)
図では次の色分けを使います。
- 緑の実線: 強リンク
- 黄色の破線: 弱リンク
- 青/黄の候補背景: 交互の 2 状態を可視化
- 赤い候補: このステップで除外する候補
注意: チェーンは 双方向 です。矢印は読みやすさの補助です。
チェーンとは?
チェーンは、候補間の「真偽の伝播」をつないだ推理経路です。
A が成り立たないなら B が成り立つ
B が成り立つなら C は成り立たない
…
構成要素は次の 2 つです。
- ノード: セル内の候補(数字)
- リンク: 候補同士の関係(強リンク / 弱リンク)
チェーンのゴールは 2 パターンあります。
- 矛盾に到達: ある候補が偽だと証明できる → 除外
- 確定に到達: ある候補が真だと証明できる → 値を確定
この記事では、まず最も基本となる 単数チェーン(同じ数字 d だけを追うチェーン)を扱います。
(二値セルベースの関係や grouped link は後続記事で扱います)
強リンクと弱リンク
強リンク(共役ペア)
覚え方: どちらか一方は必ず真
同じ house(行 / 列 / ボックス)で、数字 d の候補が ちょうど 2 か所 のとき、その 2 候補は強リンクです。
重要な含意:
- A が偽なら B は真
- B が偽なら A は真

図では、数字 5 について行・列・ボックスの強リンクを示しています。
補足: 強リンクの 2 候補は同じ house 内にあるため、同時に真にはなれません。
つまり強リンクは「弱リンクの性質」も持ちます。
要約:
強リンク = 互いに同時真は不可 + 少なくとも一方は真
弱リンク
覚え方: 同時に真にはなれない
弱リンクが表すのは 1 つだけです。
2 候補は同時に真になれない
単数チェーンで最も典型なのは、同じ house 内の同じ数字 d の候補同士です。
含意:
- A が真なら B は偽
ただし逆は成り立ちません。
- A が偽でも B が真とは限らない(第三候補があり得る)

チェーンの伝播ルール
チェーンを読むときは次の 2 ルールを使います。
- 真 →(弱リンク)→ 偽
- 偽 →(強リンク)→ 真
そのため有効なチェーンは通常、次のように交互になります。
偽 —(強)→真—(弱)→偽—(強)→真—(弱)→偽…
なぜ交互が重要か:
- 弱リンクの両側を「偽→?」で進めることはできない
- 強弱を交互に使うと真偽が安定して伝播する
例

赤い候補は r2c7 の 9 です。
読み方:
ハイライト起点から、r2c2≠9 が入るとチェーンが伝播し、r9c7=9 が強制されます。
(偽→真→偽→真→偽→真 の交互)ここで反証を使います。赤候補 r2c7=9 を仮定すると:
- 同じ行なので r2c2 は 9 になれない(r2c2(9) は偽)
- その偽がチェーンで伝播して r9c7(9) が真になる
- r2c7 と r9c7 は同じ列なので、同時に 9 は不可能 → 矛盾
したがって r2c7 の 9 は除外できます。
練習
次の 3 図はすべて単数チェーンです。
確認ポイント:
- どこが強リンクか(なぜ「どちらか一方は真」なのか)
- どこが弱リンクか(なぜ同時真が不可なのか)
- 赤候補がなぜ矛盾に至るか



最初は難しく感じて普通です。
ここを理解すると、上級チェーン系テクニックの見通しが一気によくなります。